海の男と納豆のフシギな関係。~マダム・ナットゥの華麗なる犯罪~


先日、興味深い記事が新聞に載っていた。

 

納豆を食べるとジンマシンや呼吸困難を引き起こしてしまう深刻な納豆アレルギーの人が世の中にはいるそうだ。

この珍しい納豆アレルギー、患者を調べていくと奇妙な共通点に気が付く。

サーファーやスキューバダイバーや潜水作業員・・・・

やけに海の男が多いそうである。

 

不思議に思った病院が調査をしたところ、一つの真実にぶつかる。

なんと、納豆のネバネバ成分であるポリガンマグルタミン酸が

クラゲの触手にも含まれているため、

海でクラゲに刺された人達が納豆アレルギー体質になってしまったらしい。

 

まるで推理小説みたいだ。

 

 マダム・ナットゥとクラーゲ男爵

 

ーーーマダム・ナットゥに魅入られ、次々と瀕死の目に遭う男たち。

被害者の共通点はみな肌が浅黒くて体躯の引き締まった男性だった。

マダム・ナットゥはスポーツマンがお好みなのだろうか・・・・?

 

やがて名探偵によって解真実がき明かされる。

ナットゥが恋したのは彼らの持つ逞しい体では無かった。

彼らの体内にねむる、生き別れの恋人の片鱗を求めていたのである。

その恋人の名はクラーゲ男爵。

 

マダム・ナットゥとクラーゲ男爵は遥か昔、ずっとずっと昔

人間も動物も区別のつかないような世界で

仲良くくっついて暮らしていた。

ところが天地創造がおこり、山が隆起し、ひび割れて海が広がった時

ふたりのしっかりと繋いでいた手は離れてしまった。

天変地異で記憶を失くしても、ふたりがしっかり手を繋いでいた名残は

ナットゥのネバネバに、

クラーゲの触覚に、残っていた。

 

そんな遠い昔の記憶がマダム・ナットゥに無自覚の罪を起こさせたのだった。

海の男たちの体を媒介してクラーゲ男爵と再び手をつなぐ。

マダム・ナットゥのそんな儚い夢が、多くの人間をそれと知らず傷付けてしまったのだったーーー

 

Medusa
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ショビ書房文庫の第一巻、

「マダム・ナットゥの華麗なる犯罪」でした。

 


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