旧高田邸のお別れイベントも終わり、国立の西にも落ち着きが戻ってきました。
以前の日記でも「高田邸はまるでポートピア連続殺人事件みたい」
なんて書きましたが
高田邸は知れば知るほどいろんなものが隠されています。
例えば、剥がれた壁の割れ目からのぞく綺麗なサーモンピンク。
これは高田義一郎氏が高田邸を離れた後に入居した進駐軍が塗り替えたペンキの色だそうです。
さすが欧米人。一面ピンク色の高田邸は当時いったいどんな雰囲気だったのでしょう?
また、ピンク色のペンキの下には義一郎氏がしつらえたブルーグレイの壁が眠っているそうです。現在の白い壁は義一郎さんの息子さんが塗ったらしい。
壁にペンキの地層が現れる。これも歴史をもつ高田邸ならではの面白さです。
また、庭にも面白い発見が見られました。
池のそばあたりの地表。
すっかり地面と同化していた為、プロジェクトメンバーやお客さん、実にたくさんの方たちがこの高田邸の庭を訪れましたがこれに気づいたのは国立歩記のデザイナーさんたった一人でした。
周りの土を掘り起こすと
なんとカエルが現れました!
リアルですが焼物です。
どれくらいの間冬眠していたんでしょう。
庭から掘り起こされたものは他にもあります。
これは高田邸の現所有者Tさんが土の中から見つけた約20cm程の小ぶりなお地蔵さん。
お顔立ちがどこか高田義一郎氏に似ています。
長い間埋もれていたところを発掘され、あたたかく陽の目をみる。
そんな所もお地蔵さんと義一郎さんは共通していますね。
子供の頃、親戚のお姉ちゃんがいろんな物を集めているのに憧れた事を思い出しました。
両手で抱える大きさの瓶に詰まった五円玉や、押入れに綺麗に敷き詰められた少女マンガ、色とりどりのおはじきやビー玉。
お姉ちゃんに「なんでこんなにたくさん集まるの?」と聞いたら
「年を重ねると自然に集まっちゃうものなんだよ。」という答えが返ってきました。
人も物も、歳月をかけると宝物が自然と集まってしまうものなのでしょう。
旧高田邸は実にいろんな宝物がねむる邸宅でした。
そんな高田邸ももうすぐ解体されます。
高田邸にねむる宝物たちの一つになったらいいという思いで
許可を頂いて庭の枝を拾い、全部で四体の仏さんを彫りました。
最後の一体は義一郎地蔵さんと並べて撮ってみました。笑