「旧高田邸と国立大学町〜85年の物語〜」イベント。
10日間の会期も早いもので折り返し地点まで来ました。来週の水曜日で旧高田邸とはお別れです。
土日は「kunitachiゆる市」の開催で混雑が予想される為、
仕事前に旧高田邸に出向きました。
二階の応接室(書斎)に入ると・・・・
高田義一郎氏の亡霊が?
と思ってしまうのですが、どうやら違うようです。
高田義一郎という人
今回この旧高田邸プロジェクトが発足した背景には、高田義一郎という文化人の再発見が深く関わっています。
高田義一郎氏は昭和初期に活躍した医学博士の文化人です。
主にエッセイで多くの著作を残し、土地開発されたばかりの国立に立派な家を構え、そこで晩年を過ごしたのですが、なぜか後年国立における義一郎氏の名声は風化され、つい最近まで旧高田邸は「謎の古いお屋敷」としてひっそりと佇んでいました。
この度旧高田邸の解体が決まり、高田義一郎という名前が80年余を超えて明るみに出たものの、Wikipediaにも載っていない義一郎氏がどのような人物だったのか全く知らなかった旧高田邸プロジェクトの人々に、その業績を教えてくれたのが日本モダンガール協會の淺井カヨさんでした。
国立創成期に高田義一郎という文化人が居たという発見は国立じゅうに知れ渡り、中でも高田義一郎その人に強いシンパシーを感じたのがロージナ茶会の総統であり、国立にお住まいの白田秀彰氏です。
旧高田邸プロジェクトは白田先生にお願いし、高田義一郎氏の書斎であたかも義一郎氏が今も住んでいるかのように在中して頂く事をお願いしました。白田先生は会期中高田邸の書斎で小説を執筆していらっしゃいます。
という訳で、旧高田邸に白田先生がいらっしゃった事で、義一郎氏が国立という地で過ごしていた頃の空気をリアルに感じ取る事が出来たのでした。
淺井カヨ郎、参上
さて、高田義一郎その人について教えて下さった淺井カヨさんは一階の和室で「なりきり写真館」を開催されていらっしゃいます。
二階の書斎で義一郎氏の空気を味わった後はいざ私も実際にモダンガールに扮して記念写真を!
(旧高田邸にて淺井カヨさん)
・・・・と思い一階に下りると、
あ、淺井さん??
淺「今の私は淺井カヨ郎と申します。」
男装時の淺井さんはカヨさんではなくカヨ郎さんと名乗っておられるそうです。
二階には高田義一郎(にそっくりな白田総統)、
一階には淺井カヨ郎。
二人のモダンな「郎」がひとつ屋根の下で同じ時を過ごす初春。
週末の旧高田邸における、一瞬のアツいひと時でした。