「インドの仏」展(於東京国立博物館)を知らないなりに見た感想


東京国立博物館で行われている特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」を観に行ってきました。

初日に行った割にはあまり盛り上がりを感じませんでした。
上野公園内にあまりポスターも貼られていないし。
同じ東京国立博物館で行われている「みちのくの仏像」展と同じ仏像なのに、扱いが随分違うような・・・・。
かく言う私も、時間があれば「みちのくの仏像」展を観たかった。

それでも手塚治虫「ブッダ」のタイトルロゴを連想させるデザインは好みで、魅かれるものがあります。

www.bs-j.co.jp

似てますよね。

「インドの仏」展では手塚治虫「ブッダ」でおなじみダイバダッタも出てきます。
他にもちゃんと見れば「ブッダ」の登場人物がいっぱい居たのでしょうが、
すっかり「ブッダ」の内容を忘れてしまったので分かりませんでした。
「ブッダ」を一読してから観るとより一層楽しめそうです。

また今回の展示はみうらじゅん氏といとうせいこう氏も関わっていらっしゃるようで
そのせいか、所々くすっとさせられる仕掛けが展示に施されてあります。

物販コーナーにはみうらじゅん氏プロデュースの仏像グッズも色々ありました。個人的にはボタンを押すと仏様の姿が浮かび上がるLEDライトの実用性の無さがツボでした。

砂岩に彫られた仏様はどれも風化してしまって、輪郭がぼやけていました。
私はどちらかというとそういう方が、自然と同化した神様という感じがして好きですが
美術品としては価値が薄れてしまうんでしょうね。

あと鼻が取れてしまっている像が目立ちました。
私も仏像を彫っていますが、鼻はお顔の中で一番高い部分なので彫る時は鼻を頂点にして周りを彫り落としていきます。
高いお鼻にしようと欲張ったり、彫刻刀を内側に彫り込んでしまうと鼻がポロンと取れてしまいます。
インドの仏さんは日本よりも彫りの深いお顔立ちなので、余計に鼻の部分が脆いのでしょう。

鼻は顔の中心。無くなると随分締まりが無くなってしまいます。
正に「鼻っ柱を折られる」とはこの事です。
インドの仏展でも「これで鼻がちゃんと残っていればさぞ端正な顔付きだったろうに」と残念に思われる鼻の無い仏がいくつもありました。
鼻の造形は「彫る」というよりも「残す」感覚に近いので、目や口といった複雑なパーツよりも仕上げが雑になってしまう面もあるのかもしれません。
自分も彫る時気を付けたいなあ・・と思いました。

インドの仏さんというと何となく派手でギラギラしているイメージがあるのですが、
今回展示されていた仏さんは比較的素朴なものが多かったです。
仏教発祥の頃の作品だからでしょうか。
そんな所も個人的には好みでした。


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