国立にある古いお家が明日取り壊されるということを通りがかりに偶然知ったので
お宅の中をお邪魔させて貰いました。
家の中は家具や小物が置きっ放しの状態で、生活の跡がそこかしこに見られました。
家人と古い付き合いの大工さんから
「欲しいものあったら持ってっていいよ」
と言われた。
ある人は古い桐ダンス、
ある人は鏡や机、
あるいは萩焼のお猪口などなどを頂く。
私は抽斗のついた小さな座卓デスクやちゃぶ台を貰いました。
座卓デスクは椅子くらいの大きさで玄関脇に置かれていたので
受付に使われていたのかな・・・・?
なんて想像を膨らます。
お宅を後にして、さっそくみんなで萩焼に日本酒をついで、酒盛りをした。
長い間ホコリをかぶって家の隅に眠っていたもの。
そしておそらくそのまま捨てられていただろうものが、
ふいに掬い上げられて、つぐべき水をつがれて、たった今に蘇る。
いまを生きる人の喉を通って、まだ見えない明日の活力になる。
歴史をつなぐ糸
こういうことの繰り返しが、歴史なんでしょうね。
とても不思議で、ロマンチックな体験でした。
私が取り壊されるとぎりぎりで引き取った受付台(歴史の決めつけです笑)やちゃぶ台も、
歴史をつなぐ糸になってくれそうです。