国立の梅と桜とアナと雪の女王。


梅
梅 / ohenclub

 
女優で国立市議会議員でもある石井めぐみさんが、先日Facebookでこのような投稿をされていらっしゃいました。

おはようございます。今日はなんと18度の予報。外出に厚いコートはいらないかもしれません。今や盛りの梅の花。桜で有名なくにたちですが市の花は梅なんです(*^^*)菅原道真が愛した花としても知られていますね。ワタシも大好き!みなさまも素敵な一日を♡

Posted by 石井 めぐみ on 2016年2月12日
 
そう、勘違いされやすいのですが、国立市の花は桜ではなく梅です。
東日本最古の天満宮である谷保天満宮の境内にある梅園がその由来だと思われます。
 

梅と桜とアナと雪の女王

国立駅前をまっすぐ走る大学通りに桜が咲くと国立は一斉に賑わいを見せます。
が、そんな桜よりもひと足先に咲く谷保天の梅たちも、なんともたおやかで好いものです。 石井めぐみさんの投稿を見ていて、なんとなく「アナと雪の女王」を連想してしまいました。
明るく元気でくったくのない春の陽光のような妹・アナと、
静かな美しさをたたえていて、どこか冬の名残りを思わせる姉・エルサ。
社交的で目立つのはアナですが、国の代表である女王は姉のエルサです。
 

谷保天満宮にひそむ不器用な姉属性

「姉って生き物は不器用で損よネ(涙)」と世界中の長女の共感を総ナメにした「アナ雪」ですが、
谷保天満宮にもちょっと不器用(?)な逸話があります。 谷保天満宮はそもそも、菅原道真の息子である菅原道武が、父を祀るために作られたお社です。
江戸時代、お金のなかった谷保天満宮はご神体の木像(菅原道真像)を公開してお賽銭を集めたのですが、
公開したのが10月、つまり神無月だったので
「神様はみんな出雲に行って、いないはずなのに、谷保の天神様だけ残っていらっしゃるとはなんと“ヤボ”な神様だ」
と笑われてしまいました。
これが「野暮天(やぼてん)」という言葉の語源だと言われています。 俗説ではありますが、私はこのエピソードが好きです。
うっかり出雲に行くのを忘れて俗世に居残ってしまった神様。
なんだかかわいらしくありませんか? 自分は木で仏様を彫っていますが、他の仏師の方がつくる美しい仏様とは違って、刃の跡も残すし元の材の形も残すしで、粗野と言われてもしかたのない彫り方をしています。(ちゃんとそうしている意味はあるつもりなのですが) そんな自分の流儀において、「野暮天」と言われてしまった木像のご神体は、どこか親近感をおぼえてしまうのです。
 

見下ろすエルサか、見上げる谷保天か

国立のアナ(桜)とエルサ(梅)に話をもどします。 エルサは物語の途中から雪山の頂点に君臨する氷の城をつくりますが、
梅園のある谷保天満宮は山の上ではなく、むしろ平地の下です。
国道沿いにある入口から石段を下りた低い位置に神社があるのです。
これは天満宮としてはとても珍しい配置だそうです。 谷保天のすぐそばにある多摩川の流れがたびたび変わった関係で国道も形を変え、道の下に境内があるという変わった地形になったそうですが、
川の流れに翻弄されるところも、氷の魔力に翻弄されてしまうアナとどこか似ていると思ったり思わなかったり・・・・
ってさすがにこじつけがすぎますね。笑 今年は暖冬で、もう梅が咲いているそうです。
“国立のアナとエルサ”、もとい、桜と梅はどちらも素敵です。
本当は“国立のアナ”こと大学通りの桜についての話もいろいろあるのですが、長くなるので今回はエルサの話だけにとどめておきます。
 

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