以前、2度にわたりネット不動産仲介業者の「Nomad.(ノマド)」について口コミ記事を書きました。
前回はNomad.アプリを利用した感想と、実際にNomad.を通して物件を見学した感想を書きましたが、
今回はとうとう賃貸契約までこぎつけたので、その口コミレポートをご覧ください。
「Nomad.(ノマド)」、HEYAZINEと合併。
まずは、私が初めてノマドを利用してから現在までの間に大きな出来事がありました。
これまで「Nomad.(ノマド)」のライバルサービスとして注目されていた「HEYAZINE(ヘヤジン)」ですが、どうやらこの2つの事業、合併されたようです。
イタンジ株式会社は株式会社アセンシャスが運営する「お部屋探しサービスNomad.(ノマド)」事業を譲り受ける契約を締結しました | ITANDI
プレスリリースの内容を大まかに説明すると、
ノマドの持っている事業ノウハウと、ヘヤジンの持っているIT技術を組み合わせればすごい事業拡大できちゃうんじゃないの!
ということで、合体することになったそうです。
これにより仲介手数料無料のネット不動産業者はNomad.(サービス名はNomad.に統一することになりましたが、運営は元HEYAZINE運営会社のイタンジに譲り受けています)の一強になりました。
しかし、合併の影響か元々なのか分かりませんが、今回賃貸契約を結ぶ過程において大きなストレスを私は感じました。
ストレスを感じた経緯は以下に詳しく述べますが、先に結論を言うと、
「仲介手数料無料」と「ネット不動産で部屋を探すストレス」を天秤にかけて、それでも安く済ませたいという方に「Nomad.(ノマド)」をオススメします。
「Nomad.(ノマド)」を使い2度目の内見。やっぱり要領が悪い。
では本題に入ります。ノマドアプリの利用法や見学の申し込み方法を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
初のノマド見学を体験してから約1ヶ月。
Nomad.アプリからは新着物件のお知らせが来なくなったので、毎日こまめにSUUMOをチェックして、気になった部屋があればNomad.にリクエストしていました。
Nomad.へのリクエストは1日5件まで無料なので、紹介範囲の狭いNomad.のおすすめ物件は見ないで、SUUMOやHOME’Sなどの住宅情報サイトから気に入った物件をリクエストする方が二度手間がかかりません。
Nomad.からは紹介できない物件であったり、まだ見学可能な状態ではない物件であったりとNGが続き、結果、2度目の申込みでは2件の部屋を内見することにしました。
Nomad.の見学にかかる料金は件数ではなく時間制。3時間で600円なので、本当は1回につきたくさん見学するほどお得です。
しかし前回45分遅刻されて予想以上に見学に時間がかかったので、夜に予定が入っていた私は見学件数を2件にとどめておきました。
この見立ては正解でした。
今回はノマドさん側の遅刻ではなく私が現地到着に遅れてしまいました。
遅刻した理由は、ノマドさんが指定した待ち合わせ場所の詳細に番地が書かれていなかったためです。
〇丁目までしか書かれていないことに途中で気付いたので、メッセージで「番地を教えて下さい」と送ったのですが反応無し。私はケチなので自分から担当者に直接電話をかけたくなく、「待ち合わせ時間にいなければ向こうから連絡をくれるだろう」と思って〇丁目近辺をぶらぶらしていたのですが、10分経っても何の連絡も来ない。仕方ないのでこちらから電話をかけて番地が分からない旨を告げたら「そうなんですか?すいません~」と担当者。
ゆるいなあ。笑
ノマドさんが終始ゆるい感じなのは前回でよく分かっていたので、こちらもついルーズになってしまいます。
トラブルを想定しておいてスケジュールをたっぷりめにとってあったので、これくらいの遅れは余裕でした。
しかし、現場担当者と本部でメッセージをやり取りしている担当者との連携の悪さはこのあと長々と問題の尾を引くことになります。
見学の流れは前回とほぼ同じ。
事前に確認していたはずの鍵の場所が分からず、大家さんに慌てて電話を入れる様子を隣りでぼーっと眺めるという構図も前回と同じ。
「ノマドあるある」とか作りたくなってきます。
1件目から2件目へ移動する際、「前の部屋に忘れ物をした」と言って走って取りに戻られる担当さん。
こんなうっかりミスにはもはや全く動じません。また時間が出来たと思って少し紅葉しかけている並木道をのんびり散歩していたら、丁字路の向こうに担当さんの姿が。早っ!往復で1キロくらいある道を走ってくれていたんですね・・・・。
ノマドの派遣される方はドジっ子さんが多いようです。
ノマドを通して賃貸申し込み
さてさて2件目に見た部屋がとても気に入ったので、いざ申し込みへ!
その場で担当者さんとコンビニに寄り、通信ファックスを使い書類のやり取りをしました。
この時点ではまだ物件を押さえていません。
- こちら側から大家さんに交渉したいこと(家賃など)
- 簡単な入居者情報や連帯保証人の情報
- などを記入して、管理会社と大家さんに審査してもらい、OKが出たらあらためて本契約の手続きをするという流れです。
こちらから交渉させてもらったのは入居日。
担当者さんから「通常申し込み日から数えて2週間後に入居するのが一般的です」
と言われ、どうしようかな・・・・と思っていた所、
「申し込みの時に要求を出しすぎると貸手の心証が悪くなるので控えた方が無難です。しかし、今お住みになられているお部屋との二重家賃をなるべく作らない方がお得なので、とりあえず1ヶ月後で交渉してみましょうか」
という提案を持ちかけられました。
確かに、退去日は通常、管理元に連絡した日から1ヶ月後です。
2週間後から新居の家賃が発生すると、新居と旧居の二重家賃を2週間払わないといけません。ゆえに入居日(家賃発生日)は遅ければ遅いほど得です。
「ではそれでお願いします」
と言って、滞りなく申し込みが済み、その場は気持ちよく終わりました。
いよいよ契約へ!ところが
申し込みには本人確認書類(免許証など)や申込書のデータをPDFでイタンジ(Nomad.の運営会社)に送らなければいけません。ファックスでも送れますが通信費がかかるのでケチな私は迷わずスマホで書類を撮影してメール送信する方を選びました。
スマホ上でメール送信する場合に注意するのは
- 写真データをPDFファイルに変換するアプリを使用すること
- 光の当たり具合で文字が飛ばないように気をつけて撮影すること
の2点です。
メッセージで「申込書類のPDFファイルを送りました」と連絡をしたら
「入居希望日に関してですが、お申し込みから2週間前後が目安ですが、いつ頃を希望されますか?」
という質問が来ました。
なんでこうも連絡体制が整ってないんだろう・・・・と思いながら
「昨日も同じことを聞かれ、担当さんのアドバイスで1ヶ月後を希望しました」
と返事を出した所
「可能な限り遅めということで交渉させて頂きます」
という返事が来ました。
交渉してくれるのはいいけど、連絡ミスの件は完全無視です。
その後「1ヶ月後の入居(賃料発生日)で承諾、審査が通りました」というメッセージが来ました。よかった!
晴れて契約の手続きをとることとなりました。
契約はノマド本社(イタンジ)ではなく、住む物件の管理会社で行うとのこと。
ノマドのメッセージを介して契約日や必要書類について連絡がされていたのですが
やり取りの中で見過ごせない点が出てきました。
契約時にかかる代金の精算書がデータで送られてきたので確認すると、なぜかこちらの計算よりも数万円高いのです。
内訳をよく見てみると、入居日が1ヶ月後ではなく3週間後になっています。
つまり家賃が1週間分多く請求されているのです。
あんなに1ヶ月後だなんだってやり取りしたのにまた間違えるのかい。しかも精算書で。
「精算書の計算が1ヶ月後でなく3週間後になっています」と連絡をした所、
一言「大変失礼いたしました。再度作り直して頂きます」とだけ返事が。
日付と金額。一番大事な所のチェックを怠って、客に言われるまで気付かないのは問題です。内見の遅刻や段取りの悪さは大目に見れても、このミスにはさすがに不安が募ります。
数時間後、返ってきた返事にはこうありました。
「管理会社さんと認識の相違があり、1カ月後と勘違いしてしまったのですが、正確には最長で3週間後までとのことです。
オーナー様にもそれで了承頂いているのでそれ以上延ばすのは不可だそうです。
お客様にお伝えした日と1週間分の差が生まれてしまい大変申し訳ないのですが、当初の予定より延ばして頂けた点をご考慮頂き、3週間後でご承諾頂けないでしょうか?」
なんか私がクレーマーみたいな書き方をして勝手になだめてくるノマド。
1ヶ月後で交渉しようって提案してきたのはノマドだし、1ヶ月後でOKが出たって言ってきたのもノマドだし、自分のミスに気付かないまま3週間後の精算書を出してきたのもノマドなのに・・・・
「少しは延ばしてもらえたんだからこれで勘弁してよ」
って、そういうことじゃないでしょう。
さすがに腹に据えかねて、メールで抗議しました。
あのメッセージの感じだと、下手すると大家さんや管理会社側に
「いやあ、申し込み者が大変口うるさい方で・・・・」なんて責任回避のために私を悪者にしている可能性もあります。
ノマドはこのやり取りが終われば関わりがなくなりますが、大家さんたちとはこれから長い付き合いが始まります。ノマドのせいで悪い印象を先方に与えるのは大変不本意です。
とにかくこの一件で私はノマドさんに対しての信用が一気に無くなってしまい、
「そもそも管理会社と認識の相違で入居日間違えるって、どういう認識の相違だよ」とかもういろんなことが気になって仕方がなくなりました。
このままでは安心して契約できないので、気になる点を洗いざらいメールした所、直接電話をしたいと言われ、後日、電話越しに謝罪されました。
ちなみに「管理会社との認識の相違」とは「完全にノマド側の一方的なミス」だそうです。なら最初からそう書けばいいのに。
ちなみにこのやり取りをしている前後でノマドのトップの方がつぶやいていたツイートがこちら。
電話の応答が上手な人より、タイピングやフリックが早くてチャットをガンガンできる人の方が今後は必要とされる。対面のコミュニケーションは最低限でどんどん減っていく。(いいか悪いかは別としてね
— ノマド鈴木 (@naochantiyoda) 2015, 11月 3
こう言っている人の会社がチャットで言葉が足りずに失敗して客を怒らせて、結局電話で謝ってますからね。笑 呆れます。
無事?賃貸契約完了。ノマド(Nomad.)を利用し終えて。
その後はノマドさんとやり取りすることも特になく、管理会社と私で契約をしました。
契約の際、確認書類の支払い代金欄に「仲介手数料 〇〇万円(家賃1ヶ月分)」と書かれていてビビるという場面もありましたが、管理会社に説明をしたらちゃんと訂正印を捺してもらいました。
契約書ではなかったので平気だとは思うのですが、すっかり私の脳には「ノマドは信用できない」という情報が強く刻まれているのでつい慎重になってしまいます。
契約は無事完了!
もうノマドさんと連絡を取る必要はないのですが、念のため月会費の発生するぎりぎりまでは退会しないでおくことにします。また何か問題があって連絡がくるかもわからないので。現時点で、契約完了しても何のメッセージも来ていないので逆に不安というのもあります。
アプリ登録から物件の見学、賃貸契約まで通して感じたNomad.(ノマド)の全体的な感想は以下。
- 新しい会社で、かつ合併したばかりだから、不備が多いのかもしれない。でも全体的にスタッフの連携が悪すぎます。ミスが多い。そして、ミスを利用者に指摘されてもあまり気にしていない様子に大変ストレスを感じました。
- しかし、それでも!「仲介手数料無料」というサービスは、お金のない私にとって、ストレスをも上回る魅力でした。安いバナナが腐っていたらお腹を壊しますが、安いノマドを使っても体は壊れません。「安物買いの銭失い」と言いますが、ノマドの場合は銭は失いません。失うのは、穏やかな心と無駄なやり取りをする時間くらいなので、金銭的に得であることには変わりないのでオススメです。
- ただし、せっかく仲介手数料無料なのに、ノマドとのやり取りの不備で他の部分にお金がかかってしまえば意味がありません。内見や契約においては担当者さんをあてにせず、全部自分で責任をもってチェックするという心構えで行った方がいいでしょう。
以上です。
他にも細かいツッコミ所はたくさんあったのですが、いちいち書いてくとモーきりがないのでおしまいです。5千字超えてしまいましたし。
仲介手数料・礼金・更新料。
不動産業界では慣習になっているけど「これ払う必要あるの?」と思わされる取り決めは色々あります。
そこに風穴を開けようとしているNomad.(ノマド)を始めとした新進ネット仲介業者さんたちの取り組みは素晴しく、とても応援しています。
だからこそ、連絡さえちゃんとしていれば起こらない些末なミスや、ミスを起こした場合の初歩的な顧客対応の不備などといった非常につまらないことで会社の価値を落としてしまうことはなんとしても避けて頂きたいです。
これから新しい不動産業者が益々の成長を遂げて、日本の不動産業界の大革命を起こして頂けることを心より期待しております。