名古屋めしマスターにオレはなる!
美味しい名古屋を食べに行こまい―絶品!名古屋メシ (ニチブンコミックス)
- 作者: 榊こつぶ
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2010/11/27
- メディア: コミック
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「美味しい名古屋を食べに行こまい(旧題:絶品!名古屋メシ)」は「週刊漫画ゴラク別冊 食漫」に連載されていた グルメリポートマンガです。
名古屋出身の作者が毎回1品名古屋めしを紹介するというシンプルな内容のこの作品は、土山しげる先生やラズウェル細木先生をはじめとして豪華すぎるグルマン作家のビッグネームたちが名を連ねていたのですが、その中でささやかに、でも確実においしそうなショート連載をこつこつと積み重ねており、やけに印象に強く残りました。
何がいいって、名古屋めしの愛に溢れているんですよね。
そして、分かりやすくおいしそう。
いやでも「食漫」は本当にどれもおいしそうだったんですけどね・・・・。
いい雑誌だったなあ・・・・。今思えばあれが最後に定期購読してたマンガ誌だったなあ・・・・。
「食漫」が廃刊してしばらくしたのち「絶品!名古屋メシ」は無事に単行本が発売され、「食漫」のバックナンバーをあさらずとも気軽に読めるようになりました。以後このマンガは私の名古屋めしバイブルです。
(なのでこれより以下、「美味しい名古屋を食べに行こまい」のことを略して「バイブル」と称します。)
「美味しい名古屋を食べに行こまい」を携えて、名古屋めし弾丸ツアーを敢行する
バイブルに出会ってすっかり名古屋めしへの憧れが増した私は、バイブルに出ている名古屋めしをコンプリートしたいという思いにかられ、2011年に弾丸ツアーをしました。
マンガに出てくる18項目の内、その時食べたのは10項目。
さすがに1回の弾丸ツアーでコンプリートするのは無理がありました。
第2回弾丸ツアーを開催したいなあと思っていた折、ちょうど前回の記事に書いたように↓
ハシケン・デビュー20周年記念ツアー「バンド編」 in 名古屋 得三 – ショビ書房のホリディ
ハシケンさんの名古屋公演があったので、それにかこつけて名古屋めし行脚も同時開催してみました。
今回は前回食べられなかったものに加えて、前回食べて美味しかったものもリピートしております。では写真つきでどうぞ!
名古屋めしその1 名古屋駅ホーム内のきしめん
バイブルには名古屋駅在来線の7・8番ホーム東京方面側にある「名代きしめん 住よし」が店内吹き抜けになっていて、駅内での立ち食い感が出ていい、と書いてあるのですが、残念ながら執筆当時から5年以上経ち、7・8番ホームの住よしも改装されたようで、ガラス張りの店内になっておりました。
店名ロゴは各ホームでなぜか微妙に違うものの「名代きしめん 住よし」はどのホームにも大抵あるので、おそらく味自体はどこも変わらないでしょう。
【激ウマ】名古屋駅のホームで「きしめん」を食べよう! – NAVER まとめ
バイブルと同じく、きしめんにかきあげをトッピング。
汁の色は濃いですが塩味は控え目で、関西風のおだし重視の味でした。
麺はツルツル、かきあげはサクサクです!
加えて、ラッシュアワーを終えて営業のサラリーマンがぽつぽつと往来するのみとなった閑散としたホームでのんびり食べる立ち食いきしめんは格別なおいしさです。
名古屋めしその2 みそカツ丼
数年ぶりに名古屋へ来て驚いたのは、市内における名古屋めしアピールの発展度です。
バイブルの中でも名古屋駅ビル内にある地下街エスカの充実ぶりは特筆されていますが、今回行ったエスカは数年前のエスカよりもずっとパワーアップしていました。
とりあえずエスカへ行けば名古屋めしのほとんどがコンプリートできてしまうのです。
たとえば、前回旅行時には中々食べられる店を見つけられなかった「どて煮」(バイブルにも、どて煮を確実に食べられる場所は競馬場や競輪場と描かれています)ですが、今はエスカの数店舗のメニューに入っております。
エスカ地下街/名古屋駅新幹線口−ショップガイド[お食事・喫茶]
ちなみに下の画像が前回食べたどて煮です。競馬場に行く時間もなく途方にくれていた所、たまたま名古屋城でやっていたお祭りの屋台にどて煮が出ていたのでありつきました。
みそカツ丼に話を戻します。
そんな訳で「わざわざ名古屋じゅうを歩き回って名古屋めしを探さなくても、エスカで充分事足りるんじゃないか」という疑念を振り払い、エスカで唯一食べたのがみそカツ丼です。
バイブルには「カツの下に敷かれているキャベツの千切りにみそのタレがしみこんでいて最高」とあったのですが、エスカ地下街をくまなく見てもバイブルの絵にあるようなたっぷりキャベルの敷かれているカツ丼が見当たらない!
史実に忠実って、難しいですね。
一番バイブルに近かったのは「やぶ福」のみそカツ丼。
やぶ福 – 名古屋/そば・うどん・麺類(その他) [食べログ]
キャベツが少なく、カツが二枚に分かれていますが、エスカの中ではこれが一番バイブルに近いみそカツ丼でした。
味は・・・・キャベツの千切りがもっと入っていれば最高に美味しかったです。
名古屋めしその3 モーニングセット
名古屋といえば喫茶店のモーニングセット。
前回は名古屋喫茶店の王者、コメダ珈琲に行きました。
ドリンクにプラス50円でトーストとゆで卵がついてくるというベーシックスタイル。
この時はキャッキャ言いながら食べてましたが、4年経った今、コメダ珈琲は東京展開に成功してもうどこにでもある状態です。うちの最寄駅にもでかいのがドーンとあります。なのでわざわざ名古屋に行ってまで食べるものではなくなってしまいました。
ドリンクに追加料金でトーストなどのモーニングサービスが出ることなどすっかり当たり前になってしまった東京に喜びをおぼえつつも
「もっと・・・・もっとワシの心をアツくさせてくれる名古屋のモーニングはいねがぁ!」
という渇望が湧きあがり、「ここじゃあ!」と乗り込んだのがここです。
日夜ユニークな珈琲を研究する珈琲野郎の店。
その名は「喫茶ツヅキ」。
店内に入ると、おばさまたちの朗らかな笑い声とともに不思議な光景が目に入る。
男性が天井に頭をつけて液体を垂らしています。
ここの名物、「カフェオレ天井落とし」をちょうどやっている最中のようです。
調べた記事では年配のマスターがやっていたようですが、秘技は息子さんに代替わりしつつあるらしい。店内に大きく響く2代目の声は高らかで、それはディズニーランドのジャングルクルーズを思い起こさせました。
ここまで来てやらいでか。
私もさっそくモーニングセットでカフェオレを注文。
カフェオレ天井落としの無駄なエンタテインメント性もさることながら、ここはモーニングセットが豪華!
Cセットのツナサンドには果物が山盛りです。
数えたら全部で7種類の果物が入っていました。家で7種類もの果物を少しずつ味わえるなんて贅沢はなかなかできません。普段酵素の不足しがちな日本人には大変ありがたいモーニングセットです。こういうのを名古屋で食べたかった!
コーヒー一式とともに、2代目が昇る用の脚立も用意されました。
2代目が快活な声で説明をしてくれるんですが、さっきめっちゃ聞こえてきたんで全部知ってます、と言いたいものの、言葉を挟む余地を与えない2代目の淀みない弁舌に、つい聞き入ってしまいました。
この後の写真は割愛させて頂きますが、脚立の下に潜らせてくれたり、脚立の下から2代目の股間、もとい、ミルクの注がれる様子を仰ぎ見させてもらったり、コーヒーとミルクの飛沫が顔の前に飛んでくるのを楽しませてもらったり、口の中をカップに見立ててコーヒーとミルクが注がれる(フリをした)ポーズを記念に撮ってもらったり、脚立に昇らせてもらったり、なんかもう至れり尽くせりでしたね。これが名古屋のモーニングってことですよね、きっと。
喫茶ツヅキ、今回の旅の中でベストともいえる満足度でした。おすすめです!
名古屋めしその4 イタリアン(鉄板スパゲティ)
前回はあんかけスパを食べたので、今回はイタリアンに挑戦です。
しかし、イタリアンレストランが増えた昨今、イタリアンという名称は紛らわしくてどこの店もあまり使用していないようです。
私の見た感じだと「ナポリタン」と書かれていて、とき卵が敷かれた鉄板の上にナポリタンが出てくる店と、「鉄板スパゲティ」という名称で出てくる店の2通りに大きく分かれているみたい。
今回は前者の中でも老舗喫茶店である「キャラバン」へ行きました。
なんともオツなのは、テーブルがゲーム台なことです。
もちろん現役稼働中。私が入った時もおじいさんが一人で黙々とゲームに熱中していました。
「お客さんたち、いま5時だけど、これ昼ごはん?夜ごはん?」
「えーっと・・・・おやつです」
というマスターとのゆるい会話を楽しみつつ、なんとも綺麗なナポリタンが登場!
鉄板が熱いのでみるみる内にとき卵が固まっていくのです。
しかし早く食べようにもナポリタンがめちゃくちゃ熱い。最後まで熱い。あんなに熱いスパゲティ食べたの初めてです。
ひたすらはふはふ言いながら卵を麺に絡めて食べるナポリタンは絶品でした。
でも猫舌にはつらかったです。笑
名古屋めしその5 スガキヤ
前回は路面店舗で食べましたが、今回はバイブルで説かれる名古屋人の原風景にのっとって、フードコートの中に入っているスガキヤでラーメンを食べました。
前に食べた時は訳も分からなかったんで、バイブルに書いてあった通り「これは・・・・しょうゆでも塩でもとんこつでもない、スガキヤ味としか言いようがない!」と思ったのですが、2回目ともなると多少冷静になり味の分析もできるようになりました。カツオだしのきいたとんこつ風塩味ですね。
この薄いチャーシューが、「部活やショッピングの帰りにちょろっと寄って食べる軽食」感をかもしだしていて、好きです。
名古屋めしその6 台湾ラーメン
そして、1時間後に深夜バス東京行きの出発を控える中迎えたトリは、
味仙の台湾ラーメンです!
これも前回食べたのですが、あまりに美味しかったので、リピートしてしまいました。
前回は矢場店で食べたのですが、今回はちょうどハシケンさんのライブ開催地が今池の得三だったので、得三から目と鼻の先にある味仙の今池本店で食べてきました!
小ライスを頼んで、たっぷりのひき肉を乗っけて食べると2倍楽しめます。
名古屋めしアーカイブス その1 ひつまぶし
せっかくなのでついでに4年前の第1回弾丸旅行で食べた名古屋めしも紹介しておきます。
ひとつめはひつまぶし。
写真は4分の1食べたところですね。
バイブルによると、まずはしゃもじでひつまぶしを十字に切り、4回に分けて食べるのがひつまぶしの楽しみ方だそうです。
最初の4分の1はそのまま。次の4分の1は薬味をつけて、その次はお茶をかけてお茶漬けに・・・・と、いろんな味わい方ができる、という寸法だそう。
言うことなしの大満足な美味しさでした。
ただ、毎回食べるにはかなり値段が高いのがネックです。4年前に行った時は確か3000円弱くらいで食べましたが、その後うなぎの高騰や消費税増税のあおりを受けて、2015年現在は3600円だそうです。スガキヤも値上げしましたがそれでも1杯300円、スガキヤを12杯食べてやっとひつまぶし1杯分の値段です。
本当はリピートしたい所ですが、お財布が寂しかったので今回はやめておきました。
ちなみに3600円はあつた蓬莱軒の値段ですが、他のお店の価格も似たりよったりです。
ちなみに熱田神宮は夏に行くと蚊が尋常なく多いです。
名古屋めしアーカイブス その2 手羽先
なので今回の旅行ではラインナップから外しましたが、前回行った手羽先店は名古屋で「世界の山ちゃん」と人気を二分すると言われている「風来坊」でした。
同じ手羽先でも味付けは各店で微妙に違うようで、「世界の山ちゃん」は塩コショウがまぶされた粉っぽい味付けですが、「風来坊」は甘辛いタレを絡める味付けでした。私はタレでコーティングされている方がどちらかというと好みです。
名古屋めしアーカイブス その3 天むす
こちらはどて煮と同じく、名古屋城のお祭りで買って食べました。
(写真がぼやけていてすいません)
「天むすって別に名古屋で慣れ親しまれたものってわけじゃないのか・・・・じゃあ食べなくてもいっか~」と思ってしまうところを、キャラぶきというただのクキの漬物一本で興味を引き戻す!榊こつぶ先生、最高です。
実際、キャラぶきをてっぺんにちょこんと乗せて一緒に食べる天むすの味は格別でした。こちらも当然現在はエスカ他どこでも買えますので、行き帰りの携帯食にぜひ!
名古屋めしアーカイブス その4 シロノワール
最後にご紹介する名古屋めしはスイーツです。
名古屋のスイーツといえば、コメダ珈琲のシロノワール。
こちらもコメダの東京進出によりいつでも食べられるようになりましたが、甘さのパンチ力は名古屋でも東京でも変わりません。でろでろに甘いです。
最後に
バイブル、別名「美味しい名古屋を食べに行こまい 絶品!名古屋メシ」の巡礼ツアーレポート、いかがだったでしょうか。
名古屋めしの紹介サイトはネット上にいっぱいありますが、生粋の名古屋人である榊こつぶ先生のレコメンド力に適う名古屋めしガイドは無いでしょう。ぜひ購入をお薦めします!
そして、これを読んだ方が名古屋へ行った際の、ご飯の参考になれば幸いです。
そして、今回をもってバイブルに記された代表的名古屋めしはだいたい食べ尽くしてしまいました。
つまり、次回名古屋に来る時は名古屋めしの鬼門、「喫茶マウンテン」に行く時だということです。
想像するだにゾクゾクしますね。もしその時が来たらまた詳細にレポートさせて貰います。