今年も行ってきました、「Hello! Project 研修生発表会2019 ~春の公開実力診断テスト~」!
当日、凄かったです、雨が。
もしかして・・・・と思ったら、やっぱりあの方がゲスト審査員に来ていました。
我らが矢島舞美ちゃん!
舞台公演中の忙しい時にありがとうございます。
念の為にとカバンに忍ばせた私のやじまんずキンブレ(未使用)が見事に大活躍しました。大勝利です!
これだけでチケット代の元を取れたと言っても過言では無いのですが・・・・
ここからが本題です。
この過疎ブログ恒例の、全出場者の細かい感想をどうぞご笑覧下さい。
(前回の実力診断テストの感想↓)
1番 橋迫鈴『私が言う前に抱きしめなきゃね』/ Juice=Juice
- 3回目の出場にしてトップバッターの鈴ちゃん。鈴ちゃんというと外見のキュートさやキャラクターの好さが取りざたされますが、実は鈴ちゃん、めちゃくちゃいい声をしています。スカーンと綺麗に抜ける高音、ピッチの良さ、マイクと相性の好い声質、聴いてて気持ちの好い声量。
そんな鈴ちゃんが、現在のスキルおばけ集団となる前のJ=J曲を歌い上げたのはとてもいい選曲だったと思います。 - 毎回きっちりと成長を見せてくれる鈴ちゃん。鈴ちゃんはもう実力診断テストで評価を貰うというより、ユニットでデビューすることで揉まれるべきフェーズに来ていると思います。鈴ちゃんはややもすると植村あかりちゃんや高木紗友希ちゃんのような歌唱メンに化ける可能性を今回感じました。
- アーティスト: Juice=Juice
- 出版社/メーカー: UP-FRONT WORKS
- 発売日: 2013/04/03
- メディア: CD
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2番 小野田華凛『恋の呪縛』/ Berryz工房
- 初出場の小学6年生。まだまだ子供らしさの残る同い年の松原ユリヤちゃんとは対照的に、落ち着いています。梁川奈々美ちゃんの聡明さに亀井絵里ちゃんの愛らしさ(八重歯)を足したような雰囲気。
- タップダンスをやっているだけあって、非常にリズム感が好かったです。一方で、「恋の呪縛」は手を大きく動かす振付が多いですが、腕がうまく制御できておらず、全体的に上半身の筋力の足りなさが見えました。
- まだ研修期間が短いし若いので、元々持っている才能が先へ先へと走っていてもどかしい印象を受けました。来年、中学生になって研修を積んだ彼女のパフォーマンスはとても素敵になっていくでしょう。今から楽しみです。
- アーティスト: Berryz工房,つんく,平田祥一郎
- 出版社/メーカー: ピッコロタウン
- 発売日: 2004/11/10
- メディア: CD
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3番 米村姫良々『そうだ!We’re ALIVE』/ モーニング娘。
- 最も研修歴の長い姫良々ちゃん。あどけなさを残しつつも、綺麗なお姉さんに成長してきました。舞台に上がる姿から曲終了後のコメントまで、全てにおいて堂々とした立ち居振る舞い!エースの風格を感じました。(不思議な手振りとリアクションが佐々木莉佳子ちゃんみたいになってきた・・・・?)
- ゲスト審査員の高橋愛ちゃんがコメントしたように、本来一人で歌うような曲ではありません。でも、コロコロと変わる曲調を一人で見事に遜色なく歌い切りました。印象的だったのは「ブンブンブンブン・・」と歌いながら振る腰の動きと「イェイイェイ・・」に合わせてピースサインを出す時のリズムです。早くて細かいリズムにぴったりとはまっていて、実力の高さが浮き彫りになっていました。
- 舞台の左右上下をふんだんに動き回るステージングも完璧でした。何より全てを通してカラッと明るいのが最高です。スキルの高さや裏側の大変さをそれと見せないステージ上での振る舞いはハロプロの真骨頂ですが、それを体現している姫良々ちゃんには次世代エースとして是非デビューしてもらいたいです。
今回賞を取れなかったのはとても悔しかったと思います。正直、順番や曲で不利な面があったのは否めません。実力診断テストでは一票しか投じることができないので、姫良々ちゃんのことを頭に浮かべながらも悩んだあげく結局他の子に入れてしまったお客さんも多かったはずです。
結果発表の後、感情を顔に出さないよう口を堅く結んでいた米村ちゃん。でも、ここで賞をもらうことはアイドル人生の喜びの中のほんのひとかけらです。この先に待っている沢山の栄光を見据えて頑張って欲しいです!
- アーティスト: モーニング娘。,つんく,ダンス☆マン,鈴木俊介
- 出版社/メーカー: ZETIMA
- 発売日: 2002/02/20
- メディア: CD
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4番 出頭杏奈『Help me!!』/ モーニング娘。
- 今回の実力診断テストは、未来のハロプロにおける歌唱メンの萌芽をたくさん感じさせてくれる内容でしたが、出頭ちゃんもその一人。この曲の一番の聴きどころである小田さくらちゃんの「心じゃいつも叫んでいるのに」をこれ以上ないくらいに中野サンプラザの会場に響かせてくれました!
- 「マツコミジメックス」を「ミジュメックス」と発音していたのが面白かったです。聴覚の感受性がいいのでしょう。
- 「Help me!!」はモーニング娘。の売りであるフォーメーションダンスの代表曲です。あえて原曲のダンスの妙を捨てて歌唱に全振りしたことは賛否両論あるかと思いますが、私はその潔さを評価します。出頭ちゃんの持ち味である伸びの好い歌声が十二分に発揮されていたし、そこを聴かせたいという自己プロデュースの意図がしっかりと伝わったからです。
近年の審査はBP賞以外の賞も観客の投票数に準拠しているので、今回出頭ちゃんの受賞は敵いませんでしたが、私の中の歌唱賞は出頭ちゃんです。 - 歌のリズム感が若干甘かったのが気になりました。歌の入りと抜けにメリハリがつけばもっと凄いことになります。正直、Abemaオーディションで見ていた時はこんなに気持ち好さそうに歌を歌う子になるとは思っていませんでした。今後に期待しています。
5番 為永幸音『オシャレ!』/ 松浦亜弥
- 出頭ちゃんと同じくAbemaオーディション出身の為永ちゃん。去年は「タチアガール」 で純白の軍服という非常に興味深い衣装を見せてくれた彼女でしたが、今回は王道の赤いドレス!・・・・に黒ぶちメガネ!一見アンバランスな組み合わせですが、曲の世界観に合わせた振付や表情の演出が「メガネはあくまで小道具」という位置づけを保っていたので全く違和感がありませんでした。
- コーディネート、表情づくりやちょっとした手振り、ステージの使い方。全てが考え抜かれていて綺麗に調和しており、プロの武道館ライブを観ているような演出の完成度でした。
- 本当はかなり凄いことをしているのになぜか派手さがなく、奇をてらった感じが全くないのも彼女の魅力です。だからBメロで階段に座った時に見える網タイツにふとドキッとさせられたり、最後に小声で「バイバイ」と言うパフォーマンスもとても自然。演出賞や自己プロデュース賞が無いのが残念ですが、もしあったら今年は彼女がダントツの1位です。去年見えかくれした才能の萌芽が一気に開花した印象でした。
- 歌がまだ演出の完成度に追いついていないのが唯一残念な所。特に「オシャレ!」は近年だと鈴木愛理ちゃん・小田さくらちゃん・高木紗友希ちゃん等、俗に言う「ハロプロの歌姫」たちがカバーしており、歌唱面に注目されやすい曲であるという不利な部分がありました。
リズム感はとてもいいです。発声が安定すれば、来年は何かしらの賞を受賞するでしょう。
- アーティスト: 松浦亜弥,高橋諭一,渡部チェル,小西貴雄,hasie&koji,河野伸,鈴木俊介,つんく
- 出版社/メーカー: ZETIMA
- 発売日: 2001/12/29
- メディア: CD
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6番 窪田七海『恋愛ハンター』/ モーニング娘。
- 去年の「わがまま気のまま愛のジョーク」に引き続き、娘。曲で勝負する窪田ちゃん。1年経って、とても綺麗な筋肉がつきました。その腕から繰り出されるシルクハットのパフォーマンスはとても素晴らしかったです。ハットが脱げるハプニングがありましたが、途中でさっと投げたのもいい判断だったと思います。
- 後半で息切れしそうだったところを、ドスを効かせて力技で歌い切っていたのも印象的でした。ハットもそうですが、ピンチの時に底力を出せるパワーを秘めた子なのでしょう。
- 全体曲でも常に満面の笑顔を絶やさない子です。実力も付けてきて、そろそろ賞に食い込んでもいいと思うのですが、2年続けてEDM&フォーメーションダンスの娘。曲で挑んだ所が気になりました。かつて堀江葵月ちゃんが明るいキャラクターにも関わらず自分の好みであるプラチナ的湿っぽい楽曲ばかりを選んでいたことを思い出します。
ダンスと歌を両方見せる方向性はいいのですが、一人で激しく踊りつつ歌声を効率的に魅せられる曲は他にももっとあります。娘。はチームプレイを重んじる曲が多く、彼女の場合どうしても一人で表現しきるには限界のある曲ばかりを選んでいるように思います。かつ、窪田ちゃんの持ち味である満面の笑顔が活きる楽曲を観てみたいという気持ちもあります。次回はガラッと趣向を変えた窪田ちゃんが観られたらいいな。
- アーティスト: モーニング娘。
- 出版社/メーカー: UP FRONT WORKS Z = MUSIC =
- 発売日: 2012/04/11
- メディア: CD
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7番 小野琴己『LOVE LIKE CRAZY』/ 後浦なつみ
- 研修生歴最長かつ最年長の小野琴ちゃん。 私が彼女を初めて観たのは2016年の実力診断テストで「赤いフリージア」を歌った時でしたが、リズムも音程も曖昧でキャラクターもふわっとしていて掴みどころがありませんでした。そんな彼女が「LOVE LIKE CRAZY」をめちゃくちゃ上手く歌い上げていて感動。ラップもリズム感ばっちりでした。また、単調になりがちな曲調をステージ移動でメリハリを持たせカバーしていたのも良かったです。
- 歌終了後のコメントは相変わらずの癒されキャラで、滑舌の悪さを克服するために早口言葉を練習したといいますが、一つとして言えてませんでした。というか愛理ちゃんを見ていていつも思うのですが、もしかして滑舌の悪さと歌の歯切れは全く関係ないのでは・・・・?
- 低音がきれいな小野琴ちゃん。ウエスタン風の衣装も長い手足にはまっていて、もしつんく♂氏が選考に関わっていたなら確実に推されていただろうと思わせる湿った色気を感じさせます。和田桜子ちゃんに通ずる魅力です。本人もおそらくそれを分かっていて2年連続セクシー大人系の曲を選んでいるのでしょう(去年は「MIDARA摩天楼」)。彼女だけの持ち味である色気を更に引き出す演出が他にもうひとつ加われば、もっと評価が上がると思いました。
恋愛戦隊シツレンジャー / LOVE LIKE CRAZY (通常盤)
- アーティスト: 後浦なつみ,AKIRA,鈴木Daichi秀行
- 出版社/メーカー: アップフロントワークス(ゼティマ)
- 発売日: 2004/10/06
- メディア: CD
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8番 佐藤光『Magic of Love(J=J 2015Ver.)』/ Juice=Juice
- 嵐を呼ぶ北海道研修生の一番手、佐藤光ちゃん。清楚な美人さんで、北研の中でも人気が高い一人です。
- 今回は 2017の「One,Two,Three」や2018の「Love take it all」といったダンサブルな楽曲から「Magic of Love」という歌唱に重点を置いた選曲で挑んだ光ちゃん。とても上手かったです。ピッチも安定しているし、若干のリズムの甘さを除けば、歌唱賞を取ってもおかしくない出来栄えでした。
- 上野まり子先生からは「ピッカは個性の強い北研の中で自分の存在を消すタイプ。それが今回は一歩前へ出ていた」という評価。確かに、この曲にはイントロで観客にクラップを促す演出がありますが、実力診断テストは普通のライブコンサートと違い、公平を期すためにコールやヲタ芸などの行為を極力控えるという空気がいつのまにか客の間で出来てしまっています。なのでクラップにあまり応えてくれない客席の塩反応が可哀相な佐藤光ちゃんでしたが、けなげに笑顔を絶やしませんでした。普段おとなしい子がこういう風に頑張ってるのを見るとグッときちゃいます。
- 今回、同じ北研の仲間が揃って受賞する中で唯一無冠だったのは佐藤光ちゃんにとってとても苦しい結果でした。壇上で表情を変えずに涙を拭いた姿も見られました。
佐藤光ちゃんみたいな子は実力診断テストで評価されづらい魅力を持っているので歯がゆい所です。上野先生の言う通り、自ら前に出てアピールするタイプではない。それは裏を返せば自分から出なくても自然と光って見えてしまうという性質の子だと思うのですが、そういう子は自己プロデュースという観念があまりない(そしてそこがいい)ので、自己プロデュース力が評価対象になる実力診断テストではどうしても不利なのです。1番の橋迫鈴ちゃんとはまたタイプが違いますが、佐藤光ちゃんもデビューしてから評価がハネる子なので、今は自分を信じてグッと耐えて欲しいです。
9番 石栗奏美『気まぐれプリンセス』/ モーニング娘。
- 北研の安定株、石栗奏美ちゃん。硬派だったイメージの彼女もいつの間にか栗ポーズ を頻繁にするようになり、硬軟織り交ぜてますますデビュー待ったなしといった感じです。
- 去年「私のなんにもわかっちゃない」で受賞した勢いは止まりません。「去年賞をもらった自分に挑戦状をたたきつける!つもりで頑張りました!」との言葉通り、去年から更に進化したパフォーマンスを見せてくれました。歌もダンスもキレが物凄い。何度も繰り出されるハイキックに至っては石栗ちゃんの実力をこれでもかと誇示されているような気分になりました。
- 石栗ちゃんの素晴しい所、というか恵まれている所は、本人の好きな楽曲のタイプと彼女自身の強みが合致している所です。モーニング娘。のアップテンポ曲は一人で歌うには難しい曲が多く、息切れしたり表現不足に陥ってしまう子が毎年後を絶ちません。初回(2017)で「Only You」を歌った石栗ちゃんもその中の一人だったのですが、しかし彼女は次の年も娘。曲「私のなんにもわかっちゃない」を選曲し、見事賞を獲得します。そして今年も「気まぐれプリンセス」と、一途に娘。のダンサブルな楽曲を選曲。
アップテンポ系の娘。曲にも関わらず彼女が成功している理由は大きく二つあると思います。一つは、同じ娘。の中でも、一人で歌っても比較的不自然ではない歌割構成の曲を選んでいること、演出の工夫をしていること。そしてもう一つは、激しいダンスをしながらでも歌が成立するだけの練習を彼女がしているであろうこと。
つまり、石栗ちゃんのパフォーマンスに対する真面目さや努力家な所が最も浮き彫りになるのがアップテンポの娘。楽曲だということです。 - 出力最大限で細かく技を繰り出してくるカミソリのような感じは初期の石田亜佑美ちゃんのようなソリッドさを持っており、かつ長い手足が生む薙刀のようなダイナミックな動きは加賀楓ちゃんのようでもあります。どちらにしろ、たゆまぬ努力家タイプの系譜に入る彼女は、デビューしたら根強いファンに支えられること間違いなしでしょう。
- と、なんとなく武道家を見るような気持ちになってしまう石栗ちゃんですが、真剣な顔からスイッチングで入る笑顔が可愛いのも魅力のひとつ。「気まぐれプリンセス」のオリジナルである愛ちゃんからコメントをもらう時のド緊張している姿なんかも愛らしくて、純粋なまま育って欲しいななんて思います。
- アーティスト: モーニング娘。
- 出版社/メーカー: UP-FRONT WORKS
- 発売日: 2009/10/28
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10番 山﨑愛生『夢幻クライマックス』/ ℃-ute
- 今年唯一の℃-ute曲、しかも2017年に川村文乃ちゃんを一発デビューに導いた「夢幻クライマックス」に挑戦!それだけで応援せざるを得ない℃ヲタの私です。
- 愛生ちゃんの持ち味は高らかな歌声。「夢幻クライマックス」はメロディの乱高下が激しい曲なので、複雑なダンスを捨ててでも上手く歌ってくれれば・・・・と思っていましたが、さすがのメイちゃんパワー。曲間のダンスを新体操にアレンジして踊りながら歌ってくれました。途中、着地に失敗する場面がありましたが、上手く回り込んでカバー。毎度のことながら北研最年少とは思えないほど落ち着いています。
- この子の面白いところは、歌う歌がどれも非常に落ち着いてゆったりと聴こえる所です。リズムが遅れているわけではなく、むしろ正確すぎるからなのか、性格の問題なのか、とにかくあの焦燥感の強い「夢幻クライマックス」という楽曲が愛生ちゃんの手にかかると不思議とのびのびとした鷹揚な歌になる。加えて間奏が入るたびに新体操を組み込んでくるものだからまるで全然違う曲に見えました。非凡な才能です。
- 愛生ちゃんお得意の「パンダさんパワー」が知らない間に「メイちゃんパワー」に変わっていたことに驚きました。しかしパンダさんは健在で、衣装のスカートにもブラックパンダさんがあしらわれており、愛生ちゃんを今回も見守っていてくれたそうです。うんうん。
11番 金光留々 『キラキラ冬のシャイニーG』/ 田中れいな
- Abemaオーディション組の一人。牧野真莉愛ちゃんを目指しているだけあって、見た目の愛くるしさとアイドル力の高さは成長するごとに磨きを増していきます。どことなく石川梨華ちゃんにも似てきた気がして、まごうことなきピンクの系譜ですね。
- ところが今回の選曲はなんと水色!田中れいなちゃんの「キラキラ冬のシャイニーG」で勝負です。衣装は完全に田中れいなちゃんのオマージュでヒョウ柄にネコ耳のスタイルでした(色はしっかりとピンク)。
自分でデザインしてお母さんに作ってもらったとのことですが、衣装の制作力(≒ご家族の協力度)に関して金光家の作り込みの上手さと丁寧さは全研修生の中でトップと言えるでしょう。お母さんはハロプロでお針子のバイトでもしてるんじゃないか?と思う程の完成度です。 - 肝心のパフォーマンスも上手いです。出だしの元気な「金光留々、いきまーす!」という掛け声に、観客席もつい「フー!」という歓声が飛びます。
- 歌も全体的に上手です。表情の作り方なんかはプロ顔負けの上手さです。衣装とパフォーマンスの全体的なバランスの良さで言えば、研修生の中でトップ3に入るでしょう。ひなフェスのソロコーナーなんかに挿入されても充分に成立する内容でした。
- それでも期待をこめて言うとすれば、なんとなく自分の思う「アイドルっぽさ」の枠の中に収まって、その中だけで歌っている印象を受けました。ソツがなく、漏れ出す何かが無い。上手いけど感じさせる何かが足りない。彼女の目指す牧野ちゃんが愛される理由は一貫したアイドルっぽさや可愛らしさだけでなく、そこから漏れ出てしまう人柄が見えるからだと思います。本人は大真面目でアイドルをしていて、でもだからこそいろんな牧野真莉愛という人間らしさがはみ出しています。金光ちゃんも、多少失敗したっていいからやりすぎちゃったも?と思うくらいの冒険してみた自分というのを出すことが出来れば、最強なのではないでしょうか。
12番 中山夏月姫『好きよ、純情反抗期。』/ スマイレージ
- 2017年に自前のランドセルを背負って歌い、2018年は衣装の早変わりで「地球の平和を本気で願ってるんだよ!」の世界観を見事に表現した中山ちゃん。実力診断テストにおける演出力やみんなをびっくりさせるサービス精神は随一だったので、今回真正面から歌とダンスのみで勝負したことにとても驚かされました。
- 本人のコメントによると「去年も一昨年も納得行かないパフォーマンスだったけど、今年は悔いのないパフォーマンスをできた」とのこと。
もしかしたら私は彼女の特性を勘違いしていたのかもしれません。去年までの演出はご家族やその周りと相談したものだったけれども、本来の彼女はもっと純粋に歌とダンスで勝負したかったのかもしれない。橋本慎審査員からの「リズムのキレだけもう少し欲しかった」というコメントを聞きながらつい涙を流してしまう彼女を見てそう思いました。 - 彼女自身のコメント通り、歌とダンスの出来は去年までとは比較にならないくらい上手かったです。中山ちゃんの持つ若くてどこか危なっかしげな色気がスマイレージの楽曲によくなじんでいました。 高音も最後まで頑張って出ていました。
- しかし、去年までのびっくり箱的な演出も彼女の魅力と非常にマッチしているので、あれを封印するのは惜しいです。もし今までの演出力と今回の歌ダンスを融合させることができれば、来年は彼女の独壇場になるでしょう。次回からが中山ちゃんの勝負所、そう感じました。
- おそらく、研修生たちの様子を見る限りでは「どんなに緊張しても泣くのはテストが終わってステージ袖にはけてから」という不文律が出来ているのだろうと想像できます。なので、これまで6回見ていますが実力診断テストの出番中にステージ上で泣く子はほとんど記憶にありません(逆にステージ袖で泣いていたという話はよく聞きます)。
でも中山ちゃんは、舞台の上で泣ける。そういうとこが彼女の本質的な強みだと感じています。前項に書いた金光ちゃんの弱点と対照的で、意図せずとも周りからはみ出してしまう才能があるんだと思います。すれすれの反則技が出来る女の子は強いです。例えば、タイプは違えど佐藤優樹ちゃんなんかも反則系ですが、はみ出しちゃうからこそファンはつい目が離せなくなっちゃうんですよね。天性の華です。失くさないで欲しいと思います。
13番 山田苺『GOOD BYE 夏男』/ 松浦亜弥
- 苺ちゃん、すっかり背が伸びて大人っぽくなりました。川村文乃ちゃんを彷彿とさせる、田舎ですくすく育っていきなり都会に出てきて戸惑う女の子の危うい感じを全身に漂わせていて、とても魅力的です。
- そんな子供と大人の狭間で揺れる女の子のアンバランスな魅力が本人のコメントやパフォーマンス、全てにおいて存分に発揮されるのでひたすら胸を打たれました。
そもそもYouTubeの抽選動画で「いちご」と書かれたトレーナーを着ていた所からして面白かったのですが、テスト本番後のコメントでは「私は背が伸びてしまって可愛い服が似合わなくなってきてます。なので今回は“イケてる女”(ちょっとなまり気味)をイメージして衣装を考えました」と。では動画でのいちごトレーナーも本人は「好きだけど似合わないんだよな・・」と思いながら着ていたんだろうか・・とか妄想して甘酸っぱい気持ちになってしまいました。 - 苺ちゃんの持ち味はダンスです。2017年の初出場時に「MY BOY」を踊った時の苺ちゃんは鞘師里保ちゃんを思わせるキレとダイナミズムと切なさを同居させるセンスを感じさせましたが、そのダンスの華は今も健在な上に、背が伸びた分パワーが増しています。
- しかし今回何より評価すべきは歌です。上野審査員には「成長期でバランスが取れなくなっている」と指摘されていましたが、とんでもない。激しい動きにも関わらず歌がぶれておらず、後半の転調する所も音を外さず、最後の高音も顔を真っ赤にしながら力強く歌いきっていました。実力診断テストでは毎年半数近い子がダンスと歌を両立できずに息切れしますが、その中でも苺ちゃんのパワープレイは特筆に値します。この荒削りでアンバランスな魅力が1年後にどう進化しているか想像すると今からワクワクが止まりません。
- 結果発表後、全体曲を歌いながら涙が止まらなかった苺ちゃん。予言しますが、苺ちゃんはここから一年頑張れば来年何らかの賞を取るでしょう。それまでにデビューが決まっていなければの話ですが!いま一番期待しています。
- アンバランスと何回も書きましたが、メイクが素朴なのも余計にそう感じさせる一因です。体だけでなく顔付きも相当大人になっているので。
正直、ステージ用のメイクをするだけで苺ちゃんのアイドルパフォーマンス全体の評価はすごく底上げされると思います。今回素晴らしいパフォーマンスをした苺ちゃんにメイクの指摘をするのはとてもつまらないことなのですが、表層的なことで本来の評価が損なわれるのは勿体ないので、そういう所も今後研究してみて欲しいなと思いました。
GOOD BYE 夏男
- アーティスト: 松浦亜弥,つんく,鈴木Daichi秀行,鈴木俊介
- 出版社/メーカー: ZETIMA
- 発売日: 2003/06/04
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14番 工藤由愛『ROCK エロティック』/ Berryz工房
- 個性派揃いの北研の中でもとりわけトンガった魅力を持つ由愛ちゃん。「タコの一念岩をも通す」といった所で、なんだか私もタコが好きになってきてしまいました。あれだけタコタコ言われると影響を受けてしまうものですね・・。
- 実力診断テスト2017の感想ブログにも書きましたが、この子の一番の魅力はびっくり箱的なキャラクターだけで終わらず、歌ダンスのスキルがとても高い所です。現在佐藤優樹ちゃんに憧れる後輩はたくさんいますが、ポストまーちゃんに今一番近いのはこの子だと確信しています。
- まずタイトルコールからして独創的。「14番工藤由愛、ロックエロティックぅ~♪」。あんなにキュートな”ROCKエロティック”を聴くのは後にも先にもこの一度きりでしょう。イントロの間、会場のざわつきが収まりませんでした。
- そしてそのざわつきを一蹴する強烈な歌いだし!「薔薇の似合う人生とはROCKエロティック」。このパンチのあるワンフレーズが、低くて太い声を通して中野サンプラザを一瞬で支配しました。さっきのタイトルコールと同一人物とは思えないほどの妙な説得力です。
- そんな圧倒的な掴みからはもう由愛ちゃんワールドの虜。相変わらず要所要所にタコの足をイメージした手のひらをぶらぶらさせるタコダンスを交えてくるのですが、毎回けっこうナチュラルに入れてくるので「あれってもしかしてオリジナルの振り付けにあったのかな・・」と気になり、後からPVを確認してしまいました。
- 2017に初出場で「猪突猛進」をやった時も尋常じゃないエネルギーを見せてくれましたが(そもそも一人であの歌をやろうと思う所がおかしい(いい意味で))、あれから2年経って、北研・工藤由愛ちゃんの完成形を見せてもらった気がします。激しいダンスとぶれない歌の高水準な両立。そして何より、歌を聴かせる才能がこの子にはあります。今回得票数が2位だったとのことですが、納得の順位だと思いました。
- 「ROCKイコールタコだと思いました」、うん、相変わらず意味が分からない!でもすごく頑張ってほしい!受賞おめでとうございます!
もっとずっと一緒に居たかった/ROCKエロティック (通常盤)
- アーティスト: Berryz工房
- 出版社/メーカー: アップフロントワークス
- 発売日: 2013/10/02
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15番 斉藤円香『アイサレタイノニ…』/ モーニング娘。Q期
- 新人研修生でありながら年齢的には2番目(1番は小野琴ちゃん)に高い高校2年生の斉藤さん。金澤朋子ちゃんや島倉りかちゃんのように高校生から研修生入りして早々にデビューしちゃうタイプ・・・・だといいのですが、高瀬くるみちゃんや野口胡桃ちゃんなんかも15,6歳で加入してかなりの塩漬け期間を経ているので、過度な期待は禁物ですね。
- 上記メンの例に漏れず、新人とは思えない色気のあるパフォーマンスを見せてくれました。横顔がとても美しく、まるで身長とセクシーさを足した嗣永桃子ちゃんといった雰囲気です。
- 実力診断テストが初参加の子は大体ステージングが下手で、場位置がほとんど動かないまま終わることも多いのですが、斉藤さんはとても広く使う。途中では床にお尻をついてセクシーポーズをしてみたりと変化に富んでいます。「ア・イ・サ・レ・タ・イ・ノ・ニ・・」のリズムで一つひとつポーズを取りながら中央に移動してくる所なんかは堂に入っていました。
- しかし、正直一番グッときたのは最後のウインク。上手くできてないのが初々しくて、それまでのケレン味溢れるパフォーマンスとのギャップにやられました。
- 衣装のコンセプトは「娘。9期さんの曲なので、鞘師さんの赤を基調にした」とのこと。いや9期はピンクも黄緑も緑もいるよ・・・・と思いましたが、まあご愛敬です。これからもっと性格やパフォーマンスの個性が出てきて洗練されていくのが楽しみです。
16番 松原ユリヤ『SEXY SEXY』/ Juice=Juice
- 今回分かったことは、ユリヤちゃんは事前に色々考えてきているんだなあということです。去年、選曲理由を聞かれて「簡単だったから」と答え爆笑を誘ったことを受け、今年は「難しかったから」と言ったユリヤちゃん。綺麗すぎる伏線回収です。みつばちまき審査員は「そこは”簡単だったから”ってもう一回言って欲しかったなあ~!」なんて言っていましたが、空気を読んだ回答をするようになったユリヤちゃんに一抹の寂しさを覚えたのでしょうか笑
また、基本的に何を言われても「がんばりましたー!」と元気に挙手しておけば許されると思っている節があるんじゃないかという点も気になりました笑 実際かわいいから許しちゃうんですけどね笑 - さてパフォーマンスはどうだったかというと、見たいものを見せてくれたというべきか、見てはいけないものを見てしまったというべきか・・・・。まごうことなく「小学生が歌詞の意味も分からずSEXY=SEXYを歌っている」という画でした。(どうでもいいけど隣りで観ていた私の友人はユリヤちゃんの成長に感動して泣いていました)
- 令和になったばかりにも関わらず昭和を感じさせるソバージュ頭、タイトルコールの舌足らずな「聞いて下さい、テクシーテクシー」などなど、そこかしこがかわいすぎます。歌唱はまだまだ童謡なのですが、音程は外さないしリズム感もとてもいい。強烈なキャラに隠れてしまいがちですが、小6であれだけ歌って踊れるのは凄いです。
- 清水佐紀審査員もコメントしていましたが、難しい曲に挑戦してみようと思ったそのこと自体が一番の成長です。小学1年生からエリートアイドルを育てあげた「ハロプロキッズ」というハロプロの(おそらく)最初で最後の壮大な人材育成プロジェクト。その筆頭である清水ちゃんと矢島ちゃんが、ハロプロキッズの忘れ形見と言えるユリヤちゃんを温かい目で見守っているというのはハロプロ史にとって面白い一幕でした。ユリヤちゃんのために急遽設けられた「癒されましたで賞」を発表した矢島ちゃんは「この年齢にしか表現できないものがある」とコメント。さすがキッズを束ねてきたリーダー、含蓄がありました。
- 最後のお辞儀がとても深かったのが印象的でした。
SEXY SEXY/泣いていいよ/Vivid Midnight
- アーティスト: Juice=Juice
- 出版社/メーカー: hachama
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17番 松永里愛『ガタメキラ』/ 太陽とシスコムーン
- 嵐の2017年(歌姫段原瑠々ちゃんがトリを引いた年)の再来と言われた今回のトリでしたが、下馬評通りのBP賞を見事獲得しました松永里愛ちゃん!おめでとうございます!
去年、BEYOOOOONSが結成されたり研修終了生が続出したことで、大量にいたハロプロ研修生関西組は気付けば彼女一人を残すのみとなりました。関西組の中でも最もスキルの長けていた松永ちゃんがここでBP賞を獲れたことは大変嬉しいですね。
関西以西の研修生はレッスンやイベント参加に時間とお金がかかるせいか、辞めてしまう子が多く、たくさんの好い人材を取りこぼしているという非常に勿体無い現状があります。今年はハロプロ研修生北海道の大躍進という結果もあるし、ハロプロはそろそろ関西以西にも新たな拠点を作ってもいいのではないでしょうか?
それはともかく、半年前から「ガタメキラ」を歌おうと決めて研究と練習を積み重ねた松永ちゃんの努力に脱帽です。この1年、悔しい気持ちや寂しい気持ちがきっとたくさんあったでしょう。それらに打ち克って見事金字塔を立てた松永ちゃんは関西ハロメンの星です。ありがとう! - 肝心のパフォーマンスですが、彼女の場合、実のところもう2017年の初出場時から既に実力がほぼ完成されていて、あとは“見つかる”のを待つばかりといった状況だったので、今更特に何も言うことが無いと言いたいくらいの完成度でした。ただただ上手い。歌唱力は間違いなく研修生ナンバーワンです。
- その歌唱力をハロメンに例えるなら、鈴木愛理ちゃんの憑依体質バージョン。異常に耳が良く、オリジナル音源の再現度が怖いくらい高いです。今回の「ガタメキラ」も、あ、いま稲葉貴子さんのパートだ、あ、いま小湊美和さんに切り替わった!とはっきり分かるくらいの憑依具合。タイトルコールから一瞬で楽曲の世界観にスッと入るあの感じは「降りてきた」という表現が似合います。初回から一貫して変わらぬ彼女の持ち味です。
- 強いて言うなら、歌の抜け方が全体的に短く雑だった。肺活量が足りないからパフォーマンスの全体的なバランスを重視してあえて早めに切ったのでしょうか。個人的にはそこをもっと聴かせて欲しいと思いました。そこにこそオリジナル音源とは違う彼女自身の個性が見えるはずだから。
- この一年寂しい境遇にいたにも関わらず悲壮感や焦燥感を全く見せず、受賞時も泣かずに笑顔でカラッとしていました。後ろにいた同期BEYOOOOONSメンの方がよっぽど神妙な顔で涙をこらえていたくらいです笑 淡々と朗々と自分のすべき仕事をきっちりとこなす研修生きっての職人肌、松永里愛ちゃん。彼女がBP賞を獲ってくれたことはハロプロの未来に明るい兆しを見せてくれました。ありがとう!!
- アーティスト: 太陽とシスコムーン,つんく,松原憲,本山清治,M.I.D.
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おまけ 審査員や全体進行の傾向
- 審査員コメント時にワイプを入れてくれるの、最高です(by矢島ヲタ)
- 去年に引き続き今年も審査前からテスト用の衣装で登場する研修生。今年は出場人数が減ったので以前のように研修衣装で出てくれるかと期待していたのですが叶いませんでした。せっかく衣装プロデュースを頑張った子の評価が半減してしまうので、どうにか元の形に戻るといいなと願ってます。
- 相変わらずのまこと節。ちゃんと観てるんだろうかと思うほどのぼんやりしたコメントをする(というか基本パフォーマンスについて触れない)かと思いきや、いきなり「自分に投票権があるとしたら米村姫良々ちゃんに入れた」とか言い出す。おそらく米村ちゃんが受賞できないであろうことを受けてのまこと流プロパガンダだったと思うのですが、隣にいた真面目な友人は「また“メンバー”とか言い出しやしないかとヒヤヒヤした」とため息をついていた。ごもっともです。
- 一方で高橋愛ちゃんの的確なコメントにも耳目が集まりました。以前は他の審査員も辛口アドバイス的なコメントをしていたのですが、審査員の発言が投票に強く影響してしまうことを受けて、当たり障りのないコメントをするようになったという経緯があります。
しかしハロプロリーダーとしてハロプロ最高峰のパフォーマンスをしていた愛ちゃんのアドバイスの説得力は凄い。
投票への影響を避けるとはいえ、やはりコメントコーナーがあるからにはかつてつんく♂氏が審査員だった時のような具体性のある指摘を聞きたいという気持ちがあります。今回の愛ちゃんのアドバイスの仕方は最適解なのではないかと思いました。それにしても、愛ちゃんに当たった時とまこと氏に当たった時とでコメントの密度に差がありすぎで、研修生がちょっと可哀相でした笑
今年も最高でした!
そして、最後に「Rainbow」を聴けたのがよかった!今の研修生にぴったりの楽曲です。
ハロプロ研修生のアルバム、ファーストも合わせて個人的にはハロプロ史の5指に入る名盤だと思います。ぜひゲットしてみてください!