現在、過去、そして力強い未来を魅せつけられた。℃-ute結成10周年、初の横浜アリーナ公演レポート2015.6.11


℃-ute武道館コンサート2013『Queen of J-POP~たどり着いた女戦士~』 [Blu-ray]

 

この画像は2013年に℃-uteが初めて武道館公演を行った時のDVDジャケットです。(クリックするとamazonへ飛びます)

ここから約2年かけて、今度は横浜アリーナまでこぎつけました。

以下、℃-ute結成10周年記念、横浜アリーナ公演のレポートです。

 

現在進行形の℃-uteが見せる、デビュー殺人セトリ

開演と同時にスクリーンから流れる歴代シングルのPV。
最新シングルから始まり、時を遡るように流れるシングルはそれだけで涙腺を緩ませます。個人的には「Bye Bye Bye」あたりでキたなあ・・
 
そしてデビュー当時までPVが到達・・
と思いきや、そこでスポットライトが一斉にステージに。℃-ute登場!なんと1曲目はインディーズデビューシングルの「まっさらブルージーンズ」!!
℃-ute屈指のキラーチューンである「まっさら」をあえて1曲目にに持ってくる辺りに彼女たちの余裕を感じます。
ひと昔前の℃-uteコンサートは持ち曲が少ない為に、盛り上がる「まっさら」をオーラスに持ってこざるを得ないセットリストが目立ちました。
それが今や1曲目。
それだけ「まっさら」の他にも名曲を沢山抱えるグループになったということで・・歴史の厚みを感じました。
 
また、特筆すべきはステージに登場した5人の姿。
まいみ!さき!あいり!ちさと!ま・・!
あれ・・・・、舞ちゃん?
 
 
舞ちゃんがサングラスをかけている!
 
最年少の萩原舞ちゃんはデビュー当時なぜか一人だけサングラスをかけさせられていました。その姿はまるでフィンガー5のアキラのようで(古)、最年少の飛び道具感が出ていたのですが本人は顔が隠れるから嫌だったそうです。そりゃそうか。
今回は結成10周年ということで、デビュー曲と一緒にサングラスの復活です。でももう鼻からずり落ちそうなサングラス姿のちっちゃな女の子はどこにもいない。ロングの髪をなびかせるただのいい女でした。
 
「まっさら」が終わった後は間髪入れず「即抱きしめて」。言わずとしれたインディーズセカンドシングルです。℃-uteの歴史を再現しているんだ!と気付いたファン達は大興奮。
 
ところが、サードシングル「大きな愛でもてなして」、4枚目の「わっきゃない(Z)」が立て続き、ふと横を見ると一緒に観に来た友達(℃-uteファン歴半年)がグロッキーになっている・・・・。やばい。
 
℃-uteのコンサートは「殺人セトリ」で有名です。
代表的なのはこの動画。


℃-ute 殺人セットリスト 計4曲 – YouTube

 
しかし当の本人達は「これのどこが殺人セトリ?」と首をかしげる始末。
鍛え方が違うのでしょう。
一発目から5曲ノンストップでアップテンポ曲を踊り歌う℃-uteに
「10年やってるんだもん。最初からこれくらい飛ばしてもいいよね?」
と言われているかのようでした。
もちろん大歓迎!
 
でも正直、「桜チラリ」で終わってホッとした自分がいたのも事実です。
なぜなら「桜チラリ」は前に歌った4曲のインディーズとは違い、メジャーデビューシングルだったからです。インディーズ4曲で終わるとてっきり思っていたのに想定外で少しビビる私。
℃-uteならこのままシングルメドレーマラソンとかやりかねない・・・・
それこそ殺人行為です。
5曲程度で済んで安心しました。
 

うれし懐かしソロ曲メドレー

 中盤で盛り上がったのはソロ(又は2,3人)で歌ったメドレーコーナー。普段あまり歌われることはないけれどファンの間で根強い人気を誇る曲が続くので、歓喜しっぱなしです。
 
特に矢島舞美ちゃんの全力V字ダンスから目が離せない夏DOKIリップスティック」
ハロプロ屈指のパラパラソング「ディスコクイーン」
中島早貴ちゃんのツンデレが暴発して手が付けられなくなる「君の戦法」が立て続けに歌われるあたりは凄くて、
後ろの方で女の子のファンが「キャアァ・・」と有り得ない高周波の声を出してこと切れていました。
 
あとは「我武者LIFE」以前の℃-uteのラップ代表曲といえば「One’s life」ですが、こちらもメドレーで披露されたのが嬉しかったです。2009年に卒業した梅田えりかちゃんの代表曲の一つ。
「恋破れ泣き崩れ落ち込むあの子って 何とかして民事法で再生してあげちゃって」というつんく♂節全開のラップパートは残念ながらカットされていましたが、何回聴いても名曲です。
 

℃-uteとロックが出会った瞬間

終演後の話ですが、ツイッターでファンの方が
「いよいよ℃-uteもアイドルじゃなくてアーティストになっちゃったな・・・・」
というつぶやきをしていました。
 
おそらくあのコンサートで大なり小なりそう感じた人は多かったのではないでしょうか。
そう思わせた要因はふたつ。
 
一つは横浜アリーナという℃-ute史上最も大規模な会場でのコンサートだったにも関わらず
その広さに全く見劣りしない堂々たるステージングだったこと(2年前の武道館の方が広く感じたことを思い出しました)。
 
そしてもう一つは、生ギターの登用です。
ライブ後半、ステージにサプライズで現れるLoVendoЯのツインギター、魚住有希ちゃんと宮澤茉凛ちゃん。
二人が作るうねる・ひずむ・かき立つエレキギターのグルーヴ!
それをバックに歌うのが中島卓偉のロックチューン「次の角を曲がれ」です。
 
℃-uteのボーカルの要である岡井千聖ちゃんは幼少からBOOWYを聴いて育ったロックアーティスト志向の子。
またエースの鈴木愛理ちゃんはハロプロのガールズロックアイドルBuono!で活動していたこともあり、℃-uteのロックに対する下地はあったともいえます。
 
しかし実際にバリバリロック畑のギタリスト両名のプレイと℃-uteのパフォーマンスが合わさった時の、相性の好さといったら!
これはこのコンサート一番の驚きでした。
 
「次の角を曲がれ」に引き続いて歌われたのはスローバラード「君は自転車 私は電車で帰宅」
私はライブでスローな曲を聴くのが落ち着かなくて苦手な方なのですが・・・・、この時はいつまでも聴いていたいと思いました。魚住さんの泣きのギターソロ。それに呼応するように高まる℃-uteのエモーショナルな歌声。
 
℃-uteの溢れだす実力はもうオケ(録音されたもの)のバックで受け止めきれない臨界点まで来ていると実感しました。
そしてそれが「もうアーティストなんだな・・・・」と思わずにいられなかった理由です。
 

新旧都会っ子の邂逅

コンサートも終盤。
岡井ちゃんの渾身の「君の本性〜♪」が繰り出されるフルコーラス「Midnight Temptation」の次は「都会っ子純情」・・・・
!!!
壇上で矢島ちゃんと舞ちゃんが背中合わせに!!
 
「都会っ子純情」は℃-uteがレコード大賞最優秀新人賞をはじめ数々の賞を総なめにした初期の代表曲。
イントロでは最年長のリーダー矢島舞美ちゃん(当時15歳)が
「・・・・でもね、私、もう子供じゃない」
と訴えるセリフから始まるのですが、
2012年のベストアルバム収録をきっかけにセリフパートは最年少メンバーの萩原舞ちゃんに引き継がれました。20歳を超えて「私もう子供じゃない」はリアリティが無いからでしょう。
 
ところが10周年という節目の日に一夜限りのサプライズ。かつての「都会っ子」と現在の「都会っ子」が背中を合わせて同じセリフを言うという演出に大興奮。
℃-uteの今と昔が繋がってひとつになった瞬間でした。
 

そしてまた新たなる挑戦へ

ラスト、メンバーひとりひとりのMCは胸に迫りました。
 
10年間を振り返り、正面からぶつかれなかった時代を越えて、メンバーとの絆を噛みしめる鈴木愛理ちゃん。
 
「アイドルを10年してきて楽しいことばかりじゃなかった」と語る萩原舞ちゃん。舞ちゃんの道のりを少なからず知っているファン達にはその言葉がどれだけ重いか分かります。
「それでも続けてこれたのは」とファンやメンバーへの感謝。その中で「つんく♂さんのおかげ」と当たり前のようにさらっと言う舞ちゃんにグッときました。
 
弟妹がバイトを始めた話から始まり、コンサートのチケット代を稼ぐことがどれだけ大変か語る岡井千聖ちゃん。
思えばこの日のMC、岡井ちゃんは終始「アイドル活動の出費が想像以上に多くて家が破産するかと思った」など、貧乏ネタをやけに連発していました。
 
アイドルをやっていると握手会やら何やらで大金が飛び交うのを目の当たりにします。その光景を10年間見続けていれば金銭感覚が分からなくなってもおかしくないでしょう。
 
また生活も一般的な女の子とは大きく異なります。この日のMCでは、オーディションに合格したら「アイドルの掟」が契約書と一緒に渡されたエピソードが語られました。タンクトップ禁止、帽子は深くかぶる、高校に入るまでアクセ禁止、等々・・・・。日常のありふれた行為が禁止され、その一方で仕事では時に過剰と言える程露出をし、ファンの熱狂を浴びる毎日。いろんな感覚が狂ってしまっても仕方のない状況を10年間送ってきたと思います。
 
そんな中で岡井ちゃんは常に一般人目線を大切にしてきました。
それは彼女持ち前のサービス精神だけではなく、いろんな形で応援してくれているファンへの感謝の気持ちを大事にしてくれている気持ちの表れなのでしょう。
私も岡井ちゃんが気遣ってくれる貧乏ヲタの一人。いつも有難う。
 
中島早貴ちゃんの語る言葉に固唾を飲んだファンも多いのではないでしょうか。
私は「もしかしたらこの勢いでさいたまスーパーアリーナ公演のサプライズ発表があるんじゃないか」と密かに思っていたので、ナッキーの口から
「いつかはさいたまスーパーアリーナでやりたい」
という言葉を聞いた時、少しだけガッカリした自分がいたのは否めません。
でもその後に続いたナッキーの言葉は、横アリを実現したグループとは思えない堅実なものでした。
「10年かかって横浜アリーナに辿り着いたから、さいたまスーパーアリーナがこれからどれ位かかるか分かりません。それでも皆さん付いて来てくれますか!」
ここで会場からは大歓声。℃-uteは誰よりも先に前をしっかり向いていることを教えてくれました。
 
そして最後にリーダー、矢島舞美ちゃん。
いつだって一番前で強くストレートな言葉を投げてくれる矢島ちゃんのMCは、珍しく弱気と強気が交錯するものでした。
 
「10年前に私達を応援してくれていた人達は今どうしてるかな?
今どこにいるか分からない皆さんにも感謝しています。
もしかして今日くらいは来てくれてるのかな?
もし今日観に来てくれてる人がいたら、これからずっと来て下さいね!笑」
 
と、寂しそうにねだったかと思いきや
「いろんなことが続いたから不安になっている人も多いかもしれません。けど℃-uteはこれからも突っ走りますので、皆さん”置いてかれないように”、付いてきて下さい!」
と、とても強い言葉でコメントを締めくくりました。
 
彼女のこのようにアンバランスなコメントはかなり珍しいです。
特に意外だったのは「置いてかれないように」という言葉です。今まで「付いて来て下さい」とは何度も言ってきましたが「置いてかれないよう」と言ったのは今回が初めてなのではないでしょうか?
これはあくまで私の妄想なのですが、リーダーは私たちの想像以上に、不安で揺れるファンの心情を歯がゆく思っているのではないでしょうか。
 
「悔しくて 悔しくて ぶち壊したい夜」がきっと矢島ちゃんにもあって、そんな気持ちが横浜アリーナの熱狂とあいまって、ぽろっと「置いてく」という言葉に出てしまったように思いました。
 
ある意味「置いてきて」しまったデビュー当時のファンにも戻ってきて欲しい。そして今のファンにはこれ以上「置いてきたく」ない。
彼女が事あるたびに口にする「もっといろんな景色を皆さんと観たい」という願いが、横浜アリーナ公演という大仕事を達成して、より鮮烈に、切実さを増して彼女の胸に迫っている。
そんな風に感じました。
 
私も℃-uteがこれから昇るもっともっと高い景色を観たい。
だから全力投球で応援し続けます。
横浜アリーナで同じように気持ちを新たにした人も多いのではないでしょうか。
 
未来を感じられるって素敵なことだと思いました。
とにかくいいライブでした!長文失礼しました!
 
 
〜セットリスト〜
 
01. まっさらブルージーンズ (オリジナルVer.) 
02. 即 抱きしめて (オリジナルVer.) 
03. 大きな愛でもてなして (オリジナルVer.) 
04. わっきゃない(Z) 
05. 桜チラリ 
 MC 
06. I miss you 
07. 悲しき雨降り 
08. ほめられ伸び子のテーマ曲 
09. 【メドレー】 
   夏DOKIリップスティック/矢島 (BD:ハロプロ研修生) 
   ディスコ クイーン/中島萩原 (BD:ハロプロ研修生) 
   地球からの三重奏/矢島鈴木岡井 
   君の戦法/中島岡井萩原 
   通学ベクトル/鈴木 (BD:ハロプロ研修生) 
   One’s LIFE/岡井萩原 (BD:ハロプロ研修生) 
10. 江戸の手毬唄II (オリジナルVer.) 
 MC
11. 心の叫びを歌にしてみた 
12. 世界一HAPPYな女の子 (外周通路:ハロプロ研修生) 
13. SHOCK!/ハロプロ研修生 
14. Flashdance… What a Feeling(Irene Cara) 
15. 次の角を曲がれ (ギター伴奏:魚住宮澤) 
16. 君は自転車 私は電車で帰宅 (ギター伴奏:魚住宮澤) 
17. The Middle Management~女性中間管理職~ 
18. ひとり占めしたかっただけなのに
 MC 
19. アダムとイブのジレンマ 
20. 悲しきヘブン 
21. Midnight Temptation (ギター伴奏:魚住宮澤) 
22. 都会っ子 純情 (セリフ:矢島萩原) 
23. Kiss me 愛してる 
 MC 
24. 僕らの輝き 
25. ザ☆トレジャーボックス 
26. 超WONDERFUL! (BD:ハロプロ研修生) 
27. Danceでバコーン! (外周通路:こぶしつばきハロプロ研修生) 
28. たどり着いた女戦士 
 ENCORE 
29. JUMP (外周通路:こぶしつばきハロプロ研修生) 
 MC 
30. 我武者LIFE 
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