ハシケン「RERAMAKANI」ツアー 吉祥寺GBへ行ってきた


行ってきました。

ハシケン「RERAMAKANI」ツアー@吉祥寺GB!
 RERAMAKANI

 

 

 

 

RERAMAKANI

 

 

 

 

ハシケンさんの東京でのライブはいつぶりだろう?
待ち焦がれてた〜。
会場は立ち見のお客さんでごった返していて
私ときっと同じ気持ちのハシケンファンの熱気で開演前から盛り上がっていた。
 
人が入りきらなかったのか、久しぶりのオールスタンディング。
私の前に居た大ファンらしいお客さんが次々と仲間を割り込ませて一緒に観ようとする。
お行儀の悪さもご愛嬌。それだけハシケンさんの東京ライブが皆待ち遠しかったって事だ。
 
私もこの日を存分に楽しむ為に、あえてニューアルバム「RERAMAKANI」は買わないでおいた。
アルバムに収録されている新曲を生音で聴きたかったから。
新しいハシケンさんの歌に出会う最初の感動はライブにとっておきたかったのです。
 
 

新曲たちと野フェスの夢

「RERAMAKANI」の新曲たちはどれも最高だった。
ライブ音源を収録した曲とハマケン君をモチーフにしたインスト「僕は俳優として生きていきます。」以外は全て演奏された。
「風をくらえ」はおよそ12年前に作られた歌で、今回CD初収録になった。
確か、フジロックにハシケンがフルバンドスタイルで出演した時のことを歌にしたものだったと思う。
とても好きな歌だったので、今回CD化されてすごく嬉しい。
奥にしまいこんでた獣が
皮をやぶりむきだされる
あつすぎた夏のせい
気まぐれな君のせい
 
もちかえれないこの風景を
しっかり胸に焼きつけろ
どうしようもないこの瞬間を
笑いとばせ 魂

 あの時の暑い夏が戻ってきたようだった。

 
 
そしてハシケンさん、ライブ終了後にこんなツイートをしていた。

 
絶対実現して欲しい!いつでも待ってます。
  
 

 

ハシケンの原点、エレキギター

ハシケンさんは今回のツアーで珍しくエレキギターをメインに回ったそうで、
MCでは、こんな事を言っていた。
 
「姉の影響でビートルズを聴くようになり、エレキを弾いていた学生の頃を思い出した。
だからなのか、今回のツアーは細かい事を気にしないで済むというか、ちょっとした事でくよくよしたり凹んだりということがあまり無かった。
一回アンプを通して音を出すっていうエレキギターの特性にそういう効用があるのかなあと思ったり・・」
 
拡張する音、ひずむ音。
爪弾いた弦から思いも寄らない増幅された音色がアンプという黒い箱から飛び出す。
表現者は皆、絵であれ何であれ、自分をいったん黒い箱にとじこめて、フィルターを通す事によって何かを表出する。
自分そのもののようでいてそのものでない、という部分が心地好いんだと思う。
 
ハシケンさんはいつも何かを媒介して、増幅されたハシケンを表出する。
それはタイコであったり、ピアノであったり、土地であったり、
ひと癖もふた癖もある共演ミュージシャンたちだったりする。
 
エレキギターはそんなハシケンさんの音楽スタイルのシンプルな原点なのかなあ、と思った。
 
 

既視感と新しさ 

私の色眼鏡かもしれないけど、この日のライブはハシケンさんがデビューした20年前の空気を思い出させるような瞬間がたくさん散りばめられていた。
みっち。お姉さんのプリミティブなダンス。
ニューアルバムの表題作「RERAMAKANI」から漂う、土着的でありながら透き通っているあの独特な空気。
終演後に共演者がツイッターで口々に
「新しく始まる」というような“再生”を想起させる感想を呟いていた。

私の感じたものも的外れなものではなかったんだと思う。

 

おどる細胞のバトン

昔を思い出す、でも昔とは全然違う。

「同じ人間に見えても細胞は全部入れ替わっていてそれは全く別の人なのです」
と書いてあった科学の本を思い出した。
 
 ふるえる、くすぐる、はじける。
ハシケンさんの歌から出る言葉はいつも、人のどうしようもなくこみ上げるエネルギーに満ちている。
細胞がおどっているんだと思う。
 
 「おどる」という歌詞が出てくる「バトン」は
今回のツアーのラストによく歌われたそう。
このライブのアンコール前ラストも「バトン」だった。
 
「必ず次につながる、という思いを込めて・・・・」
と紹介されて歌われた「バトン」。
そのバトンは、20年前のハシケンさんの細胞から今のハシケンさんの細胞に渡されてつながったように感じた。
 
 
原点回帰なんて陳腐な言葉じゃ言い表せない。
過去と今と未来がないまぜになって、ひとつの不思議な生命体がおどる音を聴いたような気がした。

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